« 連休のセイリング | トップページ | 連休のセイリング Vol.2 (大漁) »

2009年5月 7日 (木)

地獄編

ピッチピチの美味しいサバの夕食後、食器を片付けたり、星を眺めて食後のコーヒーを飲んだ直後突然悲劇はやってきた。

2100過ぎから激しい嘔吐と下痢を繰り返して、何度か意識が朦朧としはじめて病院嫌いの私が救急車を呼んでもらうことになってしまった。
物凄い冷や汗と悪寒で体が振るえだすし、お腹は痛いし、全身に力が入らず立つことも体を動かすこともできなくなってしまったのだった。
その後の記憶は途切れ途切れなので家族からの話をまとめてみると・・・・

119へ連絡するとまもなくサイレンが聞こえて、すぐに救急車が到着したそうだ。
脈をとられ、体温が測定不能、と言われたのを覚えている。
救急隊員2名では狭く複雑な船内から7隻もの船を乗り越えて搬出できなかったらしく、レスキュー隊も呼ばれたらしい。
なんせ岸壁まで7隻もの船を渡り歩かないと上陸できない所に停泊してたもんなんで。。。。

きれいなポリーちゃんによると、「赤い車が来たら教えてほしい」と救急隊員に言われたそうだ。 なんとやって来た赤い車は消防車だったそうで、投光機をつけて複雑なヨットや漁船の上の足場を照らしていたそうだ。 (何にも記憶にございません-_- ; )

P5023443 ツバメの船外へは毛布に包まれて搬出され、ツバメから7隻の漁船、やヨットを越えるのにU字型の担架に乗せられていたそうだ。
ヨットを超える時はブームの下をくぐらせられ、複雑な漁船の甲板を少しづつ超えてやっと救急車に乗せられたそうな。
どの船もほとんと平らな所など無く、足場が悪い。 
しかも船だから揺れるし・・・・

P5023444

体調を崩して無くても下田に停泊するのはいつもこうして何隻も船を渡り歩かなくてはならないので膝の悪い私にとってはサバイバルゲームなのだ。 しかも朝晩は干潮で、最後の漁船から上陸するのに1m近くの段差があるのだ。

救急車が出発してからもレスキュー隊が現場の写真を撮ったりしていたそうだ。
こんな足場の悪い場所での救出は、ここ下田では初めてだったのかもしれない。
山岳救助並に大変だったことと思う。

レスキュー隊の皆さんには本当に頭が下がります。
どうもありがとうございました。

周囲の船の皆さんにもいろいろご協力いただいたり、(照明まで当てられていい見せ物になってしまいましたが・・・・)ご迷惑をかけてしまいました。

休日の深夜ということもあって、下田市内の病院ではなくて隣町のちょっと離れた病院へ搬送されたそうだ。
その間ずっと寒さで体が震え続けてたのだけよく覚えている。

病院では当直の研修医の女医さんが診てくださって、点滴を受けてる最中に体中に湿疹がでてきた。
今までに経験したことがないほど派手な赤い湿疹で、イボガエルとヒキガエルを合わせたような皮膚にドッキリ。
しかも痒い!

2時間近く点滴を受けて意識もハッキリ。
幸いなことに入院せずに済みました。
あと20分で営業が終了してしまう、という地元のタクシーを呼んでもらって病院にサヨナラできました。

でもまだ体がふらふらしてて歩けないのです。
2400を回っていて、タクシーの運転手さんに無線で下田市内のホテルを探してもらったら一部屋だけ空いているビジネスホテルがあったのだ。 
ラッキー!
去年の夏、ヤマネコ号の時に野宿した公園でまたもや野宿になるところでした。
救急車で搬送された人間が病院出てそのまま野宿ではねぇ・・・・
マトモに歩けないので(帰りはレスキュー隊はもちろん助けてくれませんから)足場の悪い船渡りは到底無理。

ホテルの受付のオヤジさんには私は酔っ払いに見えただろうなぁ。。。。
ツインルームにきれいなポリーちゃんと宿泊することになった。
湿疹に塗り薬を塗ってもらって、ポカリスエットを飲みながら一晩明けたらあんなに酷かった湿疹はきれいに退いていた。 一安心だ

朝食前にCOOTに迎えに来てもらうとから徒歩わずか2~3分のとても便利な位置にホテルはあった。
まだ体がスッキリせずピンシャカ歩けるわけではないけれど、人手を借りずにどうにか7隻の船を渡り歩いて無事ツバメへ帰還を果たした。

ホントならこのまま電車で帰宅するのが一番なんだけれど、原因がサバアレルギーとはっきりしたので一日安静にして様子をみることにした。
お隣のブラックセイルの皆さんに夕べのお詫びのご挨拶もして、午前も午後もほとんど熟睡して体もシャンとして明日からの帆走に耐えられるようになった。

今回は睡眠不足が続いてた上に、美味しいおで滅多に飲まないお酒も飲んで体調が万全でない時に生のサバを食べたので当たってしまったようだ。
去年も一昨年も生サバを食べても何でもなかったので、若い頃サバアラルギーだったのはそれほど新鮮なサバではなかったんだろうと思う。 湿疹もちょこっと出ただけだったし・・・・
でももうコレ以降は生サバは食べたくないし、食べれない。
大好物だったのにとっても残念。
もちろん、一緒に食事をした3人は何事もなく美味しく生サバを満喫できたのだ。
アニスキス菌がいたわけではなく、単なるアレルギー体質の私がたまたま当たってしまっただけなのだ。

とんだ大騒ぎになってしまいO船長には多大なるご迷惑と心配をかけてしまい大変申し訳ありませんでした。
今回は新島は諦めざるを得なくなってしまったのだった。。。。

|

« 連休のセイリング | トップページ | 連休のセイリング Vol.2 (大漁) »

コメント

なんと!
タイトルを見て、船酔いでもなさったのかと思ったのですが、それどこれではなかったのですね。
それにしても、きれいなポリーちゃんがいてよかった。
まるでお声を失った美智子皇后を支えたときのサーヤみたい(^^;

投稿: かおる | 2009年5月 8日 (金) 20時44分

かおるさん、こんばんは。
船酔いだったら良かったんですけれどもねぇ・・・・
とんだお騒がせになってしまいました。
でも医療ってありがたいものですね。

きれいなポリーは、あれでも一応医療関係に従事してるので、こういう時は心強いです。 将来の介護の予行練習にもなったかな。

投稿: erica | 2009年5月 8日 (金) 23時55分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 地獄編:

» 5/2 ツバメ合宿1日目夜:下田 [ナンシイの足跡]
下田でツバメから上陸するには、7隻の船を渡り歩いて、干潮時には、最後の船から岸壁 [続きを読む]

受信: 2009年5月 9日 (土) 10時01分

« 連休のセイリング | トップページ | 連休のセイリング Vol.2 (大漁) »